おかしなもので、楽器のレッスンの内容はすっかり忘れてしまったのですが、この話は私の宝物として先生から継承し、新入社員研修会の冒頭でいつも話す事にしています。
その昔、お釈迦様が弟子達と共に険しい岩山の峠に差し掛かった時、最も賢い竜樹(後の文殊菩薩)に、一杯の水を沢から汲んで来るよう命じたという。竜樹は谷底で碗に水を汲み師の前に差し出した。釈迦は自分の茶碗の取り出してこの椀に入れろと言う。竜樹が水を注ごうとしたその時、師匠は片方の手で椀に蓋をしたのだ。当然水はこぼれ落ちる。
「水が入ってないではないか!」師は激怒し、今一度水を汲みに行くよう命じた。驚いた竜樹は気を取り直し再び水を汲み、師匠の持つ椀に注ごうとしたがまたも妨害され水は椀に入らない。繰り返すこと3回、さすがの竜樹もこれには切れた。
「あなたが欲しいと言われるので私は苦労して運んだ、それを拒むとはどういう事!」その言葉を聞いて仏は我が意を得たりと語る。「悔しいだろう、私も悔しいのだ。私はいつもお前に渡したい(伝えたい)と思っているのに、お前ときたら、いつもこうやって(心を)閉ざしてしまうのだよ・・・。」 竜樹はこれを聞いて己の未熟さを知り、悟りを得たといわれる。
物事を教わる時には自身の浅い経験や半端な知識、さらには自己の慢心や偏見を捨て去り、愚直な気概で学べと先生は教えたかったのでしょう。そしてその勇気はあるかと問われたのでした。「僕なら2回目で、師匠を見限り、さっさと山を降りますよ」と、馬鹿で生意気な私の感想を先生は笑って聞いておられましたが、いつの間にかその通り疎遠になってしまい、また是非お会いしたいと思っていた矢先にまさかの訃報。
先生を偲びつつレッスンノートを20年ぶりに読み返すと、その当時にはよく判らなかった書き込みや、アドバイスが理解できる自分に驚く。「親父の小言は後で効く」とよく聞きますが、ノートの最後には『次のレッスン迄にエチュードの何番を頑張ってやってきて下さい。』と書かれて終わっていました。(涙)
おそらく今でも先生はどこかで不肖の弟子が戻ってくるのを待っているに違いない。きっとそうだ。
浚っても、浚ってもまたダメ出しされるのだろうな、水が入っていないって・・・。
【Fg.N】
オーケストラ練習
19:00~21:30 上甲子園公民館2階講堂
練習参加者
管 Fl=2, Ob=2 , Cl=2 , Fg=2 , Hr=3 , Trp=1 以上12名(女性6名)
弦 V1=2 , V2=3(中1男子:1 ) , Va=1 , Vc=2 , K.B.=0 以上8名(女性5名)
合計20名(女性11名)他に女児が3名
練習曲目
ベートーヴェン/交響曲第8番 第2楽章,第3楽章
シューマン/交響曲 第3番 第1楽章,第4楽章,第5楽章
指導 中牟田先生
所要時間
19:02~19:30(28分)シューマン/交響曲第3番 第4楽章
19:30~20:11(41分)シューマン/交響曲第3番 第5楽章
20:11~20:45(34分)シューマン/交響曲第3番 第1楽章
20:45~20:57(12分)休憩&チューニング
20:57~21:28(15分)ベートーヴェン/交響曲第8番 第3楽章
21:28~21:33(05分)ベートーヴェン/交響曲第8番 第2楽章
椅子並べ Cl.Mさん。今日もありがとうございます~!
次週練習曲
ベートーヴェン/交響曲第8番
シューマン/交響曲第3番
事務局より
(1)HrにABさん入団!
(2)次週は夙川公民館。
おやつ
・Vc.Mさんよりパイ