このところ、なんだか「アマチュアリズム」という言葉を目にすることが増えた。
昔、芥川也寸志さんの本に出会った時も、この言葉はよく見て考えさせられたが、先日の山田和樹さんのベルリンフィルのドキュメント番組でも、彼から出た言葉はこれだった。
音楽が「楽しい」というのは、活動するときに根底にあるものではある。
けれど、突き詰めていくほどに、音楽は苦しくもなるものだと思うし、楽しいものであるだけの音楽はもうとっくに卒業していると思うことが多いし、そこで立ち止まりたくはないと思う。
深い音楽を目指しているのに、楽しいだけというのはあり得ないだろうし。
苦難の道を乗り越えてこその喜び。
ブラームスの言葉みたいだけど。(笑)
深いことをやればやるほど、悩ましさもあるけれど、それを昇華できた時の喜びは、ただ楽しいだけのことをやっているとき以上のものを得ることができる。
そういう音楽を、ミューで約30年間もの時間をかけて創ってきてたと思う。
これまでの団員さんもサラ~~っとしてるけど、実はみんなそれぞれに追求して、練ってきた。
だから、個性派ぞろいで、まとまらないときはまとまらないけれど(笑)、まとまりだすととんでもないエネルギーがあるなぁと、いつも思ってきた。
プロとアマチュアって、それまでに時間をかけて培ってきたものが違うから技術の違いはあるかもしれないけれど、追い求めようとする気持ちは、アマチュアリズムの中にあると、芸術家の人たちは、よく言っているのを聞く。
本業を別にもっているアマチュアにとっては、音楽ばかりできないこともあるけれど、プロとアマチュアって、なんかそう変わらん気もするなぁ~って、この年になると思うこともある。
もちろん、プロの人がそれを仕事として成しえるまでかけた時間とお金は、アマチュアとは異なるものだろうとは思うけれど。。。
感動という意味で、人の心を動かすのは、技術ではない。
どれだけ演奏がうまくて、すごい技術だなぁと思うことはあっても、感動はしない。
そこに私は興味が向かない。。。(えらそうだけど。)
それよりも、たった1つのロングトーンで泣けることのほうが、音楽的だなぁと思う。
3年前だったか、知り合いの名古屋フィルのコンマスさんの演奏会へいった。
アンコールでたった1つの最初の音で、涙が止まらなくなってしまった。
これもまた、ベートーヴェンの曲だった。
(ちなみに、この演奏会、弦楽演奏会。すばらしかった!!)
ベートーヴェンの曲って、節目にとんでもない出会いをすることがある。
そんな琴線に触れる響きを創れることが、音楽だなぁと思う。
そして、それを創り出す人間の驚異的な能力は未知数だなぁと思う。
天才は99%努力と1%才能って言われるけど、その1%の差は大きい。
才能によって差は生まれるが、その前に、努力はしないとねあかんだろうなぁ~と思いつつ、なかなか自分に向き合えていないなぁと、「アマチュアリズム」という言葉で、改めて考えさせられる。
音階練習、このところ徹底してできてないなぁ、、、と。
(Cl.sonne)
【練習場所】
上宮川文化センター 視聴覚室
【練習参加者】
管 Fl=1, Ob=1, Cl=2, Fg=0, Hr=1,Trp=0 以上5名
弦 Vn1=1, Vn2=0, Va=2, Vc=2, KB=0 以上3名 合計8名
【練習曲】
ドボルジャーク/交響曲第6番 第1・3楽章
【お知らせ】
・次回、ブラームス交響曲第2番をかじる。。。